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March 15, 2007

高度経済成長期という画期

 数年前から、高度経済成長期を現在の日本社会の日常生活の世界に存立する基本的な諸制度を形成する決定的な画期として捉えるためのプロジェクトをすすめている。だが、なかなか具体的なかたちにできないままでいる。
 そうした「苦戦」のなかの1つの成果が、若き友人である浜島幸司氏との共著「大衆教育社会と〈自己実現の物語〉 」(『稚内北星学園大学紀要』第6号:75-93.)である。
 関心をもたれた方は、ネットでも読むことができるので、ご覧いただければ幸甚である。→こちら
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 こうした議論の設定は妥当なものとおもえるのだが、同時に、ややもすると「床屋政談」に堕する可能性もある。拙稿はどうだろうか。
 そうした点では、昨年末に上梓された『都市の暮らしの民俗学3』は、同様の視点において、じつに適切に現実を再構成している作品だとおもう。
  そこに「出産の戦後史」をお書きになっている大出春江氏よりご恵贈いただいたものだが、改めて謝意を表明しておきたい。また、同種のテーマを扱った「出産の正常と異常をめぐるポリティックスと胎児の生命観」(『年報社会科学基礎論研究』4)は、秀逸な作品だとおもう。抄録だが「立ち読み用」として、これもネットで読むこともできる。→こちら
 ところで、本書を拝読した感想として、そこで想定されている読者対象が「研究者」に限定されていないであろうから、その点では「ないものねだり」の感は否めないのかもしれないが、全体的に、つまりどの論考も記述がやや平坦な印象は拭えない。
 とはいえ、こうした地道な作業の積み重ねの先に、より大きな成果が待ち受けているのも、また確かなことだろう。
 その意味でも、改めて、さまざまな「素材」を吟味し、再考の契機をいただけたと感じる。
 

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