シュッツ=パーソンズ研究会
シュッツ=パーソンズ研究会に参加するために神戸に赴いていた。
まだ楽に30度は越えていて、暑く湿度も高い。
字義どおりにいって、「内地」の気候は汗をかく。
そんななかでの研究会であったが、今回は出版問題もあったために、2日間の日程だった。
ご報告は次の2本。
本石修二氏「死と人称性――エピクロスを手がかりにした予備的考察」
中村文哉氏「差別と生――差別の社会的構成とその異化」
じつは後者に関しては、社会科学基礎論研究会によるシンポジウム「差別の現象学」で同名のご報告をいただいている。詳しくはことらを参照いただきたい⇒PDF。
今回のご報告は、それに少しの手を加えられたものであった。たまたま物語論に関連するものを読んでいたこともあり、「異化」に関わる論点のナイーブさを強く感じた。この点を改訂されもう1回り大きくなることで、よい作品になると感じる。
また、前者では、やはり手堅く理路が構成されていた。
基本的な理路は、まず自然的態度における「死の先行理解」を論点として呈示し、死をめぐる諸言説を「死への態度性」として3種にかなり鳥瞰的に整理する。ここから、エピクロスの「死の不可知論」とそれへの異和を手がかりに人称的世界を開示していく。人称性の開示では、浜渦辰二氏の「ケアの哲学」に依拠しつつ、前人称性の世界を論点として指示されて終了、というものであった。
このように、たしかに手堅いさばき方ではあるのだが、「死の先行理解」の内実をより充実化させて呈示されること、また、第3人称の意味づけを単なる「それ=類型性」とするだけではなく、「世界の超越」の構成的な契機としてより積極的なものとして意義づけて措定できるのか否かが当面の鍵になるように感じる。
いずれにせよ、愉しかった。これには佐藤嘉一先生との長時間かつ多岐にわたった討議や、日本社会福祉学会で関西に来られていた魁生由美子氏の「乱入」の存在も大きい。
なお、今回の神戸滞在には油井清光氏はもとよりさまざまな面で田村周一氏にもたいへんお世話になった。
記して謝意を表しておきたい。
次回のシュッツ=パーソンズ研究会は12月期。
シュッツの『意味構成』を読んだパーソンズによる「書き込み」に関して油井氏からご報告をいただく予定だ。
これも愉しみなのだが、どうも「オタクまつり」の香りがしないでもない。
私のオタク度が高くなったということなのだろうか。
これまでの自己像としては、この要素は薄いとおもってきたのだが……。
いずれにせよ、期待が膨らむ。
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Comments
日本社会学理論学会に続き、神戸でもお世話になりました。
両会とも、ゴージャスな先生方とご一緒できて夏休みの勉強がたくさんできました。ありがとうございました。
以下、若干の感想レポートなど。
中村先生の場合のようなほぼ同じのご報告でも、東京の基礎研と神戸のシュッツ・パーソンズ、場と面子が違うと議論の運び勝ちがまったく違ってくるわけで、そんな意味でもよい修行になりました。小括にてお邪魔いたしました。
Posted by: かいしょー | September 26, 2007 at 10:56 PM
コメントをありがとうございます。
ご指摘のとおりですね。
私も二ヶ所で伺ったのですが、気になった論点に明らかにズレが生じています。聞き手である「私」の問題でもあるわけですが、同時に、これは当たり前のことではあるのですが、「コンテクスト」が異なれば「主題」も異なったものとして顕れる。
いずれにせよ、お世話になりました。
Posted by: harie | September 27, 2007 at 08:58 AM