著書にとっての「帯」
すでに何度かご案内しているが、大谷栄一氏と私とで編者を務める『ソシオロジカル・スタディーズ』(世界思想社)がいよいよ出版に向け「秒読み段階」に入った。
そうしたなか、編集作業を一手に担ってくださっている峰松氏より、本書に帯が付く旨の連絡をいただいた。
やはり、自著に帯が付くのは嬉しいものだ。
何といっても、出版社の「熱」を感じる。
今までにもっとも凄いと感じたのは、『現象学的社会学は何を問うのか』(勁草書房 1998)だとおもう。
そこには、「自己・他者・関係・制度、あるいは宗教・逸脱・犯罪などの基礎概念を、エスノメソドロジーや社会調査の問題性も含めて鋭く問い直す、最前線の現象学的社会学!」とある。
当時も今も、これを「誇大広告」だとおもった訳ではないが、それでもやはり「最前線」には気がひける。
いや、たんにそれだけではなく、むしろ何か「言い訳」でも語りだしたくなる。
それに比して、今回はとても穏やかだ。
『ソシオロジカル・スタディーズ』に掛けられる帯にある大きなコピーは「私と社会をつなぐ社会学入門」というものだし、それには「日本社会における近代から現代への変化のダイナミズムを、行為者の意味づけに焦点を当てて描きだし、現代の社会関係の形成と変容を提示する」という文章が付される予定だという。
とはいえ、私の基本理解では、そもそも社会学は「私と社会」とをつなぐのではなく、むしろ〈私〉に現出する社会的世界を形相的=類型的に問題とし、さらに、この社会的世界が相互主観的な理念化過程によって物象化される機制を解きほぐすための学理でなければならない。
この自説をいずれ積極的に展開しなければならないと痛感するが、それはまだ少し先のことだとおもう。
今は、まず『ソシオロジカル・スタディーズ』を完成させよう。
この数ヶ月の「激動期」に何とか「平常」を保てたのも、この作品に関わる諸作業があったお陰なのだから。
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Tracked on November 08, 2007 at 09:35 PM

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