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January 28, 2008

『トラウマの果ての声』

20080101
 同僚の岩本和久氏より新著『トラウマの果ての声』(群像社 2007)をいただいた。
 記して謝意を表わしておきたい。
 氏にとって、おそらくは2冊目の単著だとおもう。
 私のように単著のない者にとっては、少し眩しい感じだ。
 昨年の後期に、私はというと共編者の大谷栄一氏のご厚意にもたれかかったかたちでしか共編著『ソシオロジカル・スタディーズ』(世界思想社 2007)を準備することができなかった。
 だが、氏はというと、私と同じような研究環境にあり、同じような「激動」を共に体験したはずなのだが、さらに単著を上梓された。
 「この差はいったい何なんだ!」と、わが身に詰問の1つもしたくなる。
 さほど他人との比較などせずに生きてきたつもりだが、どうにも、そんな気分にもなってしまう。

 とはいえ、まぁ、いずれにせよ、目出度い。
 このスタンスが大事だ。
 ということで、「次は私の番だ、順番、順番」とでもおもっておこう。

 さて、『トラウマの果ての声』には「新世紀のロシア文学」という副題が附してある。
 まだ、パラパラと飛ばし読みの段階ではあるが、この説明口調の副題があることで、よく焦点が定まったかたちになるのだろう。しかし、おそらくは私が「ロシア文学」とは無縁にあるからなのかもしれないが、本書は、「新世紀のロシア」の社会意識あるいは「精神の質」のようなものがどういった準位にあるのかを、よく示しているように感じる。その意味でいうと、「文学」に限定されなくてもよい構図が成立している。
 それを大業に語ると、たぶん「文明批評」みたいな位相に成立する言説なのではないかとおもう。
 第1章の「日本語で現代ロシア文学を読むためのブックガイド」がきちんとした見取り図を提供してくれるので、私のような門外漢であっても、ある程度は読み進むことを可能にしてくれている。その意味でも、よい構成になっていると感じる。
 それにしても、ソ連邦崩壊という〈歴史が終わるという体験〉はたんに体制が革命されるという事態とは決定的に異なっているようにおもっていたのだが、それでも、この世界に次世代が新規に参入し、そうした決定的な事態もまた、それまでの次世代がそうであったように、たんなる伝統へと踏みしめられ、あるいは、それらは内化されつつ反発の対象とされる。
 そうした、当たり前といえばそれまでなのだが、そうした文化の機制を再確認させられる、よい機会となった。
 この点も、記して感謝を表わさなければならないと感じた。
 
 

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January 24, 2008

センター入試 終了!

 センター入試が無事に終了した。
 ここのところ土日の勤務となると、そう珍しくもないのだが、それでもフルタイム稼動となると、さすがに疲れる。
 それでも2日間ともに手当てが支給されるのだから、ありがたい。
 そういえば、この半年間あまり、手当てのある仕事となると、とんとご無沙汰な感じがする。
 単純に、「多くの仕事量」には「それなりの支給」というシステムはよいものだ、と改めて感じる。
 来週には、また出張の予定が入っている。
 これは学務だから、センター入試のようなわけにはいかない。
 でも、そのことを嘆く前に、今週の「為すべきこと」を淡々と遂行しよう。
 とはいえ、授業で学生と接しているときが一番、というのも、どこかおかしな気もするのだが、今はこれ以上は思考を停止しておきたいとおもう。
 人間には、ちゃんと「考えないことの快楽」といったものもあるのだから。
 

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January 13, 2008

遠い札幌

 3日間の日程で札幌に出張していた。
 仕事は、一応は順調に終えられたとおもう。
 札幌でいただいた多くの方々のご厚意にはただただ感謝する他はない。
 ありがとうございます。
 もう少しだけは頑張れると感じる。
 
 昨日の札幌は快晴、気温も穏やかだったが、稚内に戻る飛行機は欠航となった。
 稚内の天候によるのだから、出発地が快晴であっても意味はない。
 急遽、都市間バスに乗車し、稚内を目指すことになった。
 約6時間。
 あまりにも遠い。
 見慣れた稚内市街地に到着したのは23時に近く、帰宅できたのは、飛行場に自動車をとりに行ったこともあって24時に近接していた。
 疲れた。
 同乗の合気道の達人はさほどでもないようだから、正直にいって困るのだ。
 呼吸法と「意識の操作」で、何でも「バスの揺れと自らが一体化」するとか「説明」をされていたが、それは説明ではない、少なくとも私にとっては。
 まぁ、どうであれ、元気なのだから、うらやましいかぎりだ。
 私はというと、1日経った今も、まだ背中が痛い。

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January 08, 2008

圧倒!

 佐藤嘉一先生からいただいた賀状にある「一文」に圧倒させられた。
 これには、どういえばよいのでろうか、「手も足も出ない」という感じだ。
 だが、圧迫感といったものはない。
 不思議と微笑ましい気分も随伴してはいるのだが、やはり「圧倒」という言葉が一番だと感じる。

 春 過ぎて  夏 過ぎて  秋冬 過ぎて  シュッツ読む                   よしかず

 そういえば、非常勤に追われた日々を過ごしていた頃には、まるで七夕のようにしかシュッツを読むことができなかった。その頃の数年間は、夏季に年に一度の読書期間がめぐってくる、といった状態が続いていた。
 それからずいぶんと経ったが、また、同じような日々に戻っているようだ。
 「読んで―考えて―書く」、この当たり前のことが、なかなかできないでいる。
 
 

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January 06, 2008

ご冥福をお祈りする

 昨日、私の友人のご尊父が他界された。
 日本酒をこよなく愛し、ほんとうに旨そうに呑まれる方だった。
 かれとは息子である友人が為したよりも、はるかに多くの酒を酌み交わしたとおもう。
 マスター期には、夕食だけでなく、場合によっては連日、お酒もご馳走になった。
 そんなとき、いつでも友人は自室に戻り研究を続けていて、父と他人である私との酒宴に入ろうとはしなかった。
 このように語ると、少々妙な感じがするのだが、その折々に、それは不自然とは感じられなかった。
 息子は息子、父は父ということなのだろうが、そこでは坦々とそれぞれが自らの日常のリズムを生きていた。
 だが、それはバラバラということではない。
 たぶんにアモルフではあるが、確かな調和のようなものが、かれの家族のなかには成立していたのだとおもう。
 その後、それぞれにドクター課程への進学があり、非常勤に追われる日々も続き、あのマスター期のように連日のようにお邪魔するといった機会は大幅に減った。
 とはいえ、比較的近くに居住していたこともあり、私の息子がまだ小さかったOD期には、たとえば休日ともなれば、かれが持参した酒を我が家で呑み、あれこれとかれの話を伺った。
 少し面倒でもあるのだが、かれは無類の議論好きで、それでいてすこぶる楽しい酒であった。
 かれの理路は、所謂〈生活者の知恵〉に立脚しているのだが、決して頑強にそこに固執するとうわけではなく、いつも私を〈かれの真理〉とされる弾力のある場所へと導こうとしているようだった。
 失礼な物言いに聞こえるかもしれないが、かれには学はないが、溢れんばかりの聡明さがあった。
 数年前より大病を患い、それでも幾度かは峠を無事に越えてくれていたのだが……。
 ここのところ生来の不精さもあって、なかなかお会いできないでいた。
 以前に、病院にお見舞いにあがった折にも、すでに涙もろさというかたちで老いの進行ははっきりと感じられた。
 こんなとき、遠方であることや多忙さは、ただの言い訳にもならないと痛感させられる。

 ほんとうに不義理で申し訳ありません。

 かれのご冥福を心よりお祈りする。
 

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January 02, 2008

「中村やす展」のお知らせ

 謹賀新年
 さて、昨年末の大晦日に中村やすさんより個展のお知らせをいただいた。
 残念ながら、今回もお邪魔することはかなわないが、ささやかなお知らせを掲示することにした。
 以前に寄せていただいたのは、「やられたいほうだいシリーズ」の最初ではないかとおもう。そのときの個人的な感想を書いておくと、「会話も楽しく酒もすすむ」ということになるのだが、これでは個展の紹介にはならない。
 要は、楽しいの一言に収斂するのだが……。
 今回の「はためかされほうだい」の制作過程の1部は拝見している。
 きっと、アレが「はためかれされほうだい」で、脚のほうから浸食されていくんだと勝手に想像してしまう。

中村やす展 とどかない 会期:2008年1月4日(金)~1月9日(水)    10:00~18:30(入館は18:00まで)    ※1月4日(金)は16:30から、1月9日(水)は15:00までとなります 入場料:無料 会場:O美術館    東京都品川区大崎1-6-2 大崎ニューシティー・2号館2F    Tel. 03-3495-4040 Fax. 03-3495-4192    URL. http://www.shinagawa-culture.or.jp/o_art/ アクセス:山手線大崎駅(東口)下車徒歩1分

展覧会概要:
やられたいほうだいシリーズ「はためかされほうだい」、映像インスタレーション「とどかない」の2作品を発表します。

中村やす略歴:
1972年 大阪生まれ
1999年 筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻総合造形分野修了
現在 常磐大学人間科学部コミュニケーション学科専任講師

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