ご冥福をお祈りする
昨日、私の友人のご尊父が他界された。
日本酒をこよなく愛し、ほんとうに旨そうに呑まれる方だった。
かれとは息子である友人が為したよりも、はるかに多くの酒を酌み交わしたとおもう。
マスター期には、夕食だけでなく、場合によっては連日、お酒もご馳走になった。
そんなとき、いつでも友人は自室に戻り研究を続けていて、父と他人である私との酒宴に入ろうとはしなかった。
このように語ると、少々妙な感じがするのだが、その折々に、それは不自然とは感じられなかった。
息子は息子、父は父ということなのだろうが、そこでは坦々とそれぞれが自らの日常のリズムを生きていた。
だが、それはバラバラということではない。
たぶんにアモルフではあるが、確かな調和のようなものが、かれの家族のなかには成立していたのだとおもう。
その後、それぞれにドクター課程への進学があり、非常勤に追われる日々も続き、あのマスター期のように連日のようにお邪魔するといった機会は大幅に減った。
とはいえ、比較的近くに居住していたこともあり、私の息子がまだ小さかったOD期には、たとえば休日ともなれば、かれが持参した酒を我が家で呑み、あれこれとかれの話を伺った。
少し面倒でもあるのだが、かれは無類の議論好きで、それでいてすこぶる楽しい酒であった。
かれの理路は、所謂〈生活者の知恵〉に立脚しているのだが、決して頑強にそこに固執するとうわけではなく、いつも私を〈かれの真理〉とされる弾力のある場所へと導こうとしているようだった。
失礼な物言いに聞こえるかもしれないが、かれには学はないが、溢れんばかりの聡明さがあった。
数年前より大病を患い、それでも幾度かは峠を無事に越えてくれていたのだが……。
ここのところ生来の不精さもあって、なかなかお会いできないでいた。
以前に、病院にお見舞いにあがった折にも、すでに涙もろさというかたちで老いの進行ははっきりと感じられた。
こんなとき、遠方であることや多忙さは、ただの言い訳にもならないと痛感させられる。
ほんとうに不義理で申し訳ありません。
かれのご冥福を心よりお祈りする。
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知人からのメールで、張江さんのプログに私の父のことが書かれていることを知り、訪問してみました。日曜日に四十九日法要を終えて母も私も一息ついているところでしたので、それなりに落ち着いて読むことができました。元気なときの父と私の記述は、そうか張江さんにはこういうふうに映っていたのかぁ、実に良く説明してくれているなぁ…などと感慨深く読めました。……彼は退院した翌日に亡くなりました。他界する前日に、彼は付き添っていた母に「酒を買ってこい!」と言ったそうです。また、最初の入院時に見舞ってくれた張江さんに、「タバコは止められる、意志の問題だ、オレは止めたぞ…」と偉そうに言っていたことを思い出しました。彼は日本酒に劣らずタバコも愛していました。数年前になかなか止められずに家族に隠れてタバコを吸っていたことを思い出して、ついぞ笑ってしまいました。……張江さん、心温まる言葉を有り難う。そして、今後も宜しく。
Posted by: まあ | February 27, 2008 at 04:50 AM