『盛岡大学紀要』
少し前になるが鈴木健之さんより、かれが勤務される大学の紀要『盛岡大学紀要』第25号(2008年)をお送りいただいていた。
記して謝意を表わしておきたい。
ちなみに、盛岡大学のサイトはこちら⇒*。
この紀要に鈴木さんは「男性育児休業についての社会学的一考察」を寄せられている。
そこで、早速(というにはかなり遅くなっているのだが)、昨夜に拝読させていただいた。
一読だけでの印象を書いてしまうと、本格的な作業に入るための「助走」のように感じる。
実際、鈴木さんはかなり禁欲的な設定をされているので、この読後感は張江の独断というものでもないようにおもう。冒頭でかれ曰く、
「本稿では、育休を取り、育児に専念した男性の話を聞くことに専心したい。興味深いことに、現在、入手可能な男性による「育児休業日記」はすべて新聞社から出版されている。「男女共同参画時代、男も育児休業を!」といったフェミニスト的な言説を普及させようという意図が見て取れるが、まずは読んでみることにしたい」。
この引用箇所後半部の指摘は「男性の育児休業と出版のポリティクス」といった領域設定で、とてもおもしろいテーマに発展すると感じる。
なお、ご論考の最後尾にある指摘、「フェミニストの主張やフェミニスト的政策の前提(対象)は都市のサラリーマン家庭であったため、他の家庭の(その男性にみならず、女性の)指示を取り付けることができなかった」という指摘は、人種問題や階層性といったジェンダーの複数性の論点とも重なり、興味深く読むことができた。
全体としては、かなり鈴木氏の「実感」に裏打ちされた立論が前景化されていて、その分、いくつもの「原石」が詰まっている、貴重なご論考になっているとおもう。
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